梅雨の訪れとともに、気になるのが梅仕事ですよね。 今回は、梅仕事ほぼ初心者の私でも簡単に挑戦できた梅干し作りについてご紹介します。
梅干しって発酵食品じゃないの?
実は、梅干しは一般的にイメージされる「発酵食品」ではありません。発酵食品とは、微生物の働きによって食品の成分が変化する食品のことを指しますが、梅干しの場合は塩漬けによって水分が抜かれ、微生物が活動できる環境ではないため、発酵は起こらないのです。一般的な発酵食品は、乳酸菌や酵母などの微生物によって旨味や酸味が生成されます。しかし、梅干しの場合、塩分濃度が18%以上と高いため、これらの微生物が活発に活動できる環境ではありません。そのため、梅干しの酸味は梅自体に元々含まれているクエン酸やリンゴ酸によるものであり、発酵によって生成されたものではないのです。
梅干しの栄養価と美容効果
梅干しには、クエン酸やリンゴ酸などの有機酸が豊富に含まれています。これらの酸は、疲労回復や夏バテ防止効果、殺菌効果などがあるとされています。また、梅干しに含まれるカリウムは、体内の余分なナトリウムを排出する働きがあり、むくみ解消にも効果的です。さらに、梅干しにはビタミンB群やミネラルも豊富に含まれており、美肌効果やアンチエイジング効果も期待できます。
漬ける時期
梅干しの漬け込み時期は、6月中旬から7月上旬が最適です。この頃になると、梅が完熟に近づき、果肉が柔らかくなり、酸味がまろやかになります。
梅シロップや梅酒用の梅との違い
梅干し用の梅は、完熟に近い黄色の梅を使用します。一方、梅シロップや梅酒用の梅は、完熟前の硬い青梅を使用します。また、梅干し用の梅は塩漬けにするため、塩分が強くなります。梅シロップや梅酒用の梅は、砂糖や焼酎に漬け込むため、塩分は控えめです。
梅干し作り
材料
- 完熟梅 1kg
- 天然塩 160g
- 焼酎 30cc
作り方
- 梅をよく洗い、水気を拭き取る。
- 梅に竹串でヘタを取り除く。
- 梅と塩を交互に容器に入れ、落とし蓋をして梅の重さの半量の重石をする。
- 直射日光を避け、涼しい場所で1ヶ月以上漬け込む。
- 梅を取り出し、水気を拭き取る。
- 天日干しにする。3〜4日間晴れが続く時に干すとおすすめです。2日目にひっくり返しましょう。
- 保存方法は、密閉容器で常温で大丈夫です。
ポイント
- 梅は傷がないものを選ぶ方が良いが、傷有りの梅でも十分美味しいです。
- 傷有りの梅には虫が入っている可能性があるので、水に30分浸す事で虫は死滅します。
- 塩は18%以上で、カビが生えにくい。
- 天日干しは、色褪せ防止の観点から直射日光を避ける。
- 梅は完熟のものが良い。
- 塩は旨みがある天然塩が良い。
注意事項
- 梅干しは塩分が強いので、食べ過ぎには注意する。
- 高血圧や腎臓病の人は、医師に相談してから食べる。
まとめ
梅干しは、栄養価が高く、美容効果も期待できる食材です。今年はぜひ、自家製梅干しに挑戦してみてはいかがでしょうか。
昔、ばあちゃんが毎年丁寧に作っていたあの酸っぱい梅干しは、あの頃の若かった私にとって好みの味ではなかったけれど、今は何となくあの酸っぱすぎる梅干しの味を懐かしく思い出します。来年は紫蘇漬けにして作ろうと思います。
この後、完熟梅の梅酒も作ったので記事にしていきます。
梅干し仕込み:2024年6月8日
梅干し完成:2024年7月15日